イランが大規模ミサイル攻撃=イスラエル、「数日内に報復」と報道―石油施設標的か
【エルサレム時事】イランは1日、相次ぐ親イラン組織の指導者殺害への報復として、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射した。イスラエル軍は約180発だったと発表した。多くが迎撃されたとみられるが、イスラエルのネタニヤフ首相は「イランは重大な間違いを犯した。代償を払うことになる」と明言。双方が攻撃の応酬を続けるリスクが高まっている。
米ネットメディア「アクシオス」は2日、イスラエル当局者の話として、同国が数日内に「大規模報復」を行う可能性があると伝えた。イランの石油施設が標的になるとの見方が出ているが、要人暗殺という選択肢もあるという。
イランのアラグチ外相は「イスラエルがさらなる報復をしない限り、われわれは攻撃を終了する」とX(旧ツイッター)で表明した。イラン側はイスラエルの対外情報機関モサド本部や空軍基地を狙ったと説明。極超音速ミサイルを含むミサイルの9割が標的に着弾したと主張したが、多くがイスラエル軍と米軍に迎撃されたもようだ。
イランが支援するイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が7月に、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師が9月に殺害された。イランは今回の攻撃を指導者殺害の報復と位置付けた。
イランは4月にも革命防衛隊の司令官殺害への報復として、イスラエルをドローンやミサイルで攻撃。ミサイルの数では前回を上回ったとみられる。
報道によると、中部テルアビブ近郊で落下したミサイルの破片などで約100棟の家屋に被害が出たほか、数人が負傷した。ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区エリコ近郊で、自治区ガザ出身の男性が破片に当たり死亡した。
一方、イスラエル軍は2日、レバノン南部への地上侵攻後、初めて兵士1人が死亡したと発表した。軍は南部に部隊を追加投入し、攻勢を強めている。また、首都ベイルート郊外にも連日空爆を加えている。レバノン側からは2日、イスラエル北部にロケット弾100発以上が撃ち込まれた。
[時事通信社]
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