新政権、「災害復興、議論だけでは」=解散総選挙に批判も―石川県輪島市など
石川県・能登半島北部の豪雨で仮設住宅などが床上浸水した輪島市宅田町。復旧工事のため一時退去を余儀なくされた仮設入居者は、新首相に石破茂氏が指名された1日も荷物の運び出しに追われていた。
元日の地震で自宅が全壊し、5月になってようやく仮設住宅に入居した男性(76)は地震と豪雨からの復興について、「口先で何を言っても仕方がない。新政権は国会で議論するだけでなく、きちんと現場を見てほしい」と訴えた。
父親が住む仮設住宅を片付けていたパート従業員の女性(43)=金沢市=は「石破首相には自分の車で能登に来て、被災したままの道路を走ってほしい。仮設住宅で1週間生活し、被災者がどう暮らしているか体験して」と求めた。
石破首相は9日に衆院を解散し、衆院選を27日投開票で行う方針を示している。アルバイトの男性(64)は「選挙をやっている場合じゃない。そんなことより、選挙にかかる人やお金を能登に回してほしい」と憤った。
浸水した自宅を掃除していた介護士橋下美佳さん(58)は「輪島市の職員は一生懸命やっているが、度重なる災害は市や県では手に負えない」と強調。「国にやってもらわないと、復興なんて到底先の話になる」と危機感を示した。
東京電力福島第1原発事故の影響が今なお続く福島県。除染作業で出た土などを一時保管する中間貯蔵施設(同県大熊、双葉町)の地権者でつくる団体の門馬好春会長(67)は「県外での最終処分への取り組みが一向に進まない中、担当閣僚が頻繁に代わるのは復興軽視だ」と批判しつつ、「新しい担当相が復興に真に向き合い、努力することを期待したい」と話した。
[時事通信社]
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