公営住宅解体に不適切交付金=無断増築物、本来は自己負担―検査院
自治体が公営住宅を解体する際、無断で増築された建築物の撤去費用に、国土交通省の交付金約5900万円が不適切に投入されていたことが30日、会計検査院の調査で分かった。検査院は同省に対し、交付金の適切な使途を自治体に周知するよう求めた。
検査院によると、自治体が公営住宅を建て替える際などの解体費用には国交省の交付金が出る。しかし、無断で増築された建築物の撤去費用は交付金の対象とならず、居住者の負担となる。
検査院は、2018~22年度に138の自治体が実施した643件の解体工事を調査。32自治体の97件で、居住者が床面積を広げるために母屋に接続する形で庭に新築した建物など、無断増築物の撤去に交付金約5900万円が充てられていた。
検査院は今後も公営住宅の老朽化による解体事業が多く実施されることが見込まれると指摘。同省に対し、無断増築物を適切に把握し、解体費用が交付金の対象とならないことを自治体に周知するよう要求した。
同省の担当者は「指摘の内容を精査し、公営住宅の管理適正化に向けて周知を図っていきたい」と話した。
[時事通信社]
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