松田、自己新で涙の復活=引退熟考も「続けてよかった」―女子マラソン
【ベルリン時事】9月29日に行われたベルリン・マラソンで、女子の松田瑞生(ダイハツ)が日本歴代8位の2時間20分42秒で6位に入った。東京五輪は代表の補欠で、今夏のパリ五輪も代表を逃し、現役引退を考えた末に続行を決意。自己記録を2年8カ月ぶりに塗り替えた。
1キロ3分20秒ほどのペースを終盤まで保ち、両手を広げて笑顔でフィニッシュ。うれし涙を流しながら、山中美和子監督と抱き合った。「(競技を)やめようか、やろうか、その境目にずっといた中で、初めてここまで続けてよかったなと思えるレースだった」。挫折からはい上がり、強くなって舞い戻る姿は、松田の真骨頂だった。
1月の大阪国際女子マラソンで3位にとどまった後、1カ月以上休養した。3月に山中監督から「まだやめたらあかん。楽しい、という感情を思い出してからやめてほしい」と言葉を掛けられ、再び走りだした。8月下旬から1カ月間で約1400キロを走り込む猛練習で復活。「大嫌いだった陸上が、大好きになった」と笑った。
残りの競技生活は「短い」と言い、心の中で区切りは決めている。その前に、来秋の世界選手権東京大会に出場するのが目標だ。代表入りに向けて、来年1月の大阪国際女子マラソンに臨む予定の29歳は、「東京五輪をあと一歩で逃した雪辱を果たせたら。国立競技場で走りたい気持ちが大きい」。再び日の丸を背負う姿を描いた。
[時事通信社]
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