大一番で勝ち切る力=優勝導いた投打の要―プロ野球・巨人
大混戦を制し、巨人がセ・リーグ王者に返り咲いた。創立90年を迎えた球団の節目で、4年ぶりの優勝。現役時代に何度も指揮官を胴上げした経験がある阿部監督。今年は自分が10度宙を舞い、「最高です!」。目頭を熱くしながら、おなじみのせりふを絶叫した。
投打の要が大一番で力を発揮し、堂々と勝ち切った。1―1の六回無死一塁。4番岡本和は「いい形で後ろにつなぐ」と左中間を深く破る二塁打を放ち、吉川が勝ち越しのホームを踏んだ。七回にも岡本和の2点二塁打などで3点。快勝の流れをつくった。
マウンドには大黒柱の菅野。「投手としてやれることは一つしかない。泥臭くてもいいのでチームが勝てるように」との思いで、粘り強く投げて8回1失点。15勝目をつかみ、最多勝利のタイトルに大きく前進した。
厳しい戦いが繰り広げられたシーズン終盤。首位に立つ巨人とて、選手はフル回転で余裕がなかった。それでも投手力を中心に野手も堅守でもり立て、日替わりでヒーローが生まれる。阿部監督は今季の勝因を、「全員が同じ方向を向いてキャンプから始まったこと、誰一人そっぽを向かなかったこと」と表現する。
投打に守備、ベテランと若手。全てがかみ合い、監督は今の強さを「チーム力」と強調した。「チャレンジャー」と称して臨んだチームは試合を重ねるごとに磨かれ、王者へと生まれ変わった。
[時事通信社]
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