「最古酒母」の清酒を世界へ=奈良の蔵元、豪でPR
【シドニー時事】奈良県酒造組合は28日、オーストラリア最大都市シドニーで開かれた酒フェスティバルで、「日本最古の酒母」で醸した清酒を出展した。透き通った清酒の製法は室町時代に奈良で誕生したとされる。その歴史を世界にアピールして売り込みを図り、輸出や外国人観光客の誘致につなげたい考えだ。
古来の酒はどぶろくのように白濁したものだったが、15世紀半ばに奈良市の正暦寺で澄み切った清酒の醸造技術が考案されたという。当時と同じ乳酸菌から復元した最古の酒母「菩提(ぼだい)※(※酉に元)」を使った清酒は七つの蔵元で造られており、今回はその一部が出展された。酸味が強く、味が濃いのが特徴だ。同組合の北岡篤会長は「魚はもちろん、ステーキやチーズにも合う」と話す。
試飲した元客室乗務員のレベッカさんは「まろやかでおいしい。すしと一緒に楽しみたい」と気に入っていた。
北岡会長は「奈良ではかつて(有名酒造地の)灘や伏見の下請け生産が多く、ブランド化が遅れた。『清酒発祥の地』というストーリーと共に、奈良酒を奈良漬と同じくらい有名にしていきたい」と意気込みを語った。
[時事通信社]
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