「選手のため、やらねば」=渡辺守成氏インタビュー―IOC会長選に立候補
国際オリンピック委員会(IOC)の会長選に立候補した国際体操連盟(FIG)会長の渡辺守成氏(65)がこのほど時事通信のインタビューに応じ、決意を語った。
―日本人で初めて会長選に立候補した理由は。
この8年ほどで160カ国以上を回った。スポーツ関係者の意見を聞き、今後の五輪の在り方や、スポーツがどう社会に貢献すべきかを、いろいろな国で何時間も話し合った。子どもたちや五輪に出る選手のためにやらなければならないことがあると思い、決意した。
―選ばれたら何がしたいか。
時代に合うように五輪を変えなければいけない。今は従来の伝統競技に(スケートボードなどの)アーバンスポーツが加わり、eスポーツも出てきた。それらを融合させ、新しい五輪の姿をつくる必要がある。IOCは全てを会長が決めて理事会と総会で承認しているが、世界には206の国内オリンピック委員会がある。もっと現場の意見を吸い上げた方がいい。
―7人が立候補し、強力なライバルもいる。過去9人の会長は全て欧米出身者だ。
IOC委員たちが何を望むのか。多様性か、保守的なものか。そこでIOCの価値が決まると思う。(規定により)他の候補のことは言えないが、訪問した国の数は自分が一番多いと思う。原点は(長く務めた)イオン時代の「現場第一主義」にある。現場を見ないと改善できない。
―当選したら再び日本に五輪を招致したいか。
(当分は)ない。やるとしても、より有力な他の都市での開催が終わってからになるだろう。
―10月下旬のFIG会長選に敗れたらIOC委員の資格を失い、来年3月の会長選には立候補できない。
そうならないように頑張っている。FIG会長選は勝たなければならない。
―自らを参謀タイプと評するが、スポーツ界の大将になるのか。
そんなことはない。FIG会長の自分も大将とは思っていない。大将は選手。IOC会長になっても、それは変わらない。
―常に海外を回っている印象だ。
8年間で(計)1カ月も休んでいない。きのうポルトガルから(日本に)帰国し、今晩の便でイタリアに向かう。何とか体力で持ちこたえている。
◇渡辺守成氏の略歴
渡辺 守成氏(わたなべ・もりなり)福岡・戸畑高から東海大を経てジャスコ(現イオン)に入社。新体操の普及に尽力する。日本体操協会幹部を務め、13年から国際体操連盟理事、17年に同会長就任。18年から国際オリンピック委員会(IOC)委員。21年東京五輪・パラリンピック組織委員会では理事を務めた。65歳。福岡県出身。
[時事通信社]
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