長引く避難、関連死リスクも=能登大雨、28日で1週間

能登半島北部を襲った記録的大雨は、気象庁が大雨特別警報を出してから28日で1週間となった。石川県では輪島、珠洲両市を中心に土砂崩れや河川氾濫が相次ぎ、11人が死亡。27日現在で27カ所456人が避難を続けており、劣悪な衛生環境や心身の疲弊による災害関連死のリスクも懸念されている。
輪島市ふれあい健康センターには、27日時点で約30人が避難している。ベッドはなく、避難者のスペースを確保する仕切りもない。センター職員の山下敦司さん(48)は「床に付いた土を掃除しても、泥が付いた靴で出入りするのできれいにならない」と対応に苦慮する。
市内の仮設住宅に住んでいた警備員の女性(58)も近くの避難所に身を寄せた。店が営業していないため、長靴など必要な物資が手に入らず「今の生活には不安しかない」と訴える。
地震に続く二重の災害で、精神面のケアも課題だ。避難所の運営支援を行うピースボート災害支援センターの遠藤聡さんは「心が折れ、諦めてしまうことが多くなり、精神的に追い込まれる。基礎疾患の悪化にもつながる」と語る。衛生面でも、土足禁止エリアの設定や感染症対策が必要と話した。
災害関連死を防ぐため、石川県は希望者に対して来週にもホテル・旅館への2次避難を開始する。
輪島、珠洲両市などで観測史上最大雨量を記録した大雨では27の河川が氾濫。県によると、27日現在で道路寸断による孤立集落はほぼ解消された。一方、輪島市を中心に約4250戸で断水が続き、停電は約880戸に上る。
輪島市を流れる塚田川流域では女子中学生(14)ら2人と連絡が取れておらず、消防などが27日も約480人態勢で捜索を続けた。
[時事通信社]

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