死刑確定事件、全て控訴断念=検察側、有罪主張も再審無罪
戦後、死刑が確定し、再審公判が開かれた事件は、これまでに4事件あった。いずれの事件でも、検察側は改めて有罪を主張したが、全てで無罪が確定した。
4事件は1948~55年に発生した免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件。最高裁が75年、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則は再審にも適用されるとした「白鳥決定」を出した後、それぞれ再審が開始された。
袴田巌さんの再審公判で改めて有罪を主張した検察側は、4事件のやり直しの裁判でも有罪判決を求めていた。だが、そもそも有罪主張をしないケースもある。
DNA型鑑定が決め手となった足利事件の再審の論告求刑公判では、検察側が無罪判決を求め、長期間服役を余儀なくされた男性に謝罪した。逮捕された男性が「燃やした」と自白した証拠物を検察側が保管していた松橋事件の再審公判でも、殺人罪での有罪立証をしなかった。
再審公判で無罪判決が出された場合でも、検察側は、通常の刑事裁判と同様に控訴することができる。ただ、有罪主張した4事件とも控訴を断念し、無罪が確定した。
再審公判で無罪になると、刑事補償法に基づき拘禁された日数に応じて1日当たり1万2500円を上限に補償金を請求できる。島田事件で無罪となった赤堀政夫さん=2月に94歳で死去=には当時の規定により、約1億1900万円が支払われた。
[時事通信社]
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