初提訴の原告が和解=強制不妊訴訟―仙台高裁
旧優生保護法に基づき不妊手術を強制されたとして、宮城県内の女性2人が国に賠償を求めた訴訟の和解協議が24日、仙台高裁(倉沢守春裁判長)であり、原告のうち、一連の訴訟で最初に提訴した60代女性の和解が成立した。
原告側弁護団によると、和解内容は13日に締結された合意書を踏まえ、国からの謝罪や1500万円の慰謝料を基本に、遅延損害金を含めた和解金を支払うことが盛り込まれた。今回和解が成立しなかった70代女性については、10月31日に改めて協議期日が設定された。
和解が成立した原告の義姉佐藤路子さん(仮名、60代)は記者会見し、「裁判所も国も(訴えを)聞いてくれて、社会が変わってきたと感じている。社会が良くなればと思って提訴したので、ずっと人権侵害のない社会であってほしい」と話した。
一連の訴訟では、最高裁大法廷が7月、同法の規定を違憲として国の賠償責任を認定。5件の訴訟のうち4件は原告側勝訴が確定したが、敗訴とした仙台高裁判決は破棄され、損害額算定のため同高裁に差し戻されていた。
2人はいずれも10代で不妊手術を受けさせられた。2018年、手術により結婚や出産の機会を奪われたとして、国に対し計7150万円の損害賠償を求める訴訟を仙台地裁に起こした。一、二審は不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」を適用して訴えを退けていた。
また、宮城県内の60代と70代の男女3人が国に起こした訴訟も24日に仙台地裁(前田志織裁判長)で和解が成立した。
[時事通信社]
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