2024-09-24 17:56社会

国立大、厳しい財務状況=交付金減に物価高騰―東大値上げ

記者会見する国立大学協会の永田恭介会長=6月7日、東京都千代田区
記者会見する国立大学協会の永田恭介会長=6月7日、東京都千代田区

 国立大の財務状況はいずれも厳しく、全国82の国立大学法人などでつくる国立大学協会(国大協)は6月、物価高などを背景に「もう限界だ」とする異例の声明を公表していた。
 国からの運営費交付金の減少傾向も財務悪化の一因という。人件費などに充てられる交付金は、国立大が法人化された20年前に比べ1600億円超減っており、文部科学省は国大協の働き掛けなどを受け、来年度予算の概算要求で361億円増の1兆1145億円を求めた。
 他の国立大では2019年度以降、東京工業大と東京芸大が授業料を増額。一橋大や東京医科歯科大なども続き、現在は86校中7校が標準額を上回る授業料を設定している。
 東京大は10日に値上げ方針を公表した際、「苦渋の決断だった」と説明したが、盛山正仁文科相は13日の記者会見で「東大の動きが、他の学校に影響がないとは言わない」と述べ、他大学に波及する可能性を否定しなかった。
 文科省は7月、国立大の財務状況を分析し、対応策を議論する有識者検討会を設置した。検討会は授業料の在り方も含め、議論を深める方針だ。授業料など教育支出の家計負担は、他の先進国の2倍程度とされる一方、専門家からは標準額を引き上げるべきだとの意見も出ているという。 
[時事通信社]

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