高市、小泉氏ら男系維持=石破氏「女系天皇」言及も―自民総裁選
自民党総裁選(27日投開票)では安定的な皇位継承の在り方も論点の一つだ。高市早苗経済安全保障担当相(63)ら多くの候補が、父方が天皇の血を引く男系男子による継承を主張。石破茂元幹事長(67)は、母方のみが天皇の血を引く「女系天皇」の可能性を排除しない立場を示した。ただ、政治改革や経済政策などのテーマに隠れ、論戦は盛り上がっていない。
候補者9人が並んだ13日の共同記者会見では、高市氏や小泉進次郎元環境相(43)ら6氏が男系男子による継承の堅持を訴えた。高市氏は「今に生きる私たちの責任であり、未来に生きる人たちへの責任だ」と言明した。
小泉氏は女系天皇に慎重な考えを記した自民党の皇位継承の在り方の「所見」に基づき、「女性皇族の結婚後の皇室身分の維持、皇統に属する男系男子の養子縁組を検討する」と述べた。女系天皇は過去に例がなく、保守派は反対している。
小林鷹之前経済安保担当相(49)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)も男系男子の継承を重視する。
河野氏は防衛相だった2020年8月に「皇室で男系を維持していくのはかなりリスクがある」と女系も検討する必要性に言及していたが、今回の総裁選では党見解を尊重する考えを表明した。
林芳正官房長官(63)、上川陽子外相(71)は共同会見で男系男子を維持するかは明確に発言せず、衆参両院議長の下で与野党協議を進める必要性を唱えた。上川氏は20日のインタビューで「静かな環境で議論を深めることが大切だ」と述べた。
石破氏は告示前の8月のインターネット番組で「女系天皇の可能性を全部排除して議論をするのはどうなんだろう」と提起。ただ、9月12日の記者団の取材には「男系男子の伝統は大切にしないといけない」と発言を後退させた。保守派の支持も得る必要があるためとみられる。
皇位継承を巡っては、21年12月に岸田内閣の有識者会議が(1)女性皇族が結婚後も皇族に残る(2)旧宮家の男系男子が養子として皇籍復帰―の2案を提示した。ただ、女性・女系天皇の是非には触れず、議論を先送りした。与野党の主張にも隔たりがあり、次期衆院選でも争点の一つとなりそうだ。
[時事通信社]
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