親イラン勢力、ヒズボラへ連帯=イスラエルとの衝突拡大も
【イスタンブール時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対するイスラエルの攻勢強化を受け、イランや親イラン組織がイスラエルへの反発を強めている。ヒズボラへの支援と連帯を示して態度を硬化させており、イスラエルとの衝突拡大が懸念される。
イランのメディアによると、最高指導者ハメネイ師側近の一人は20日、7月にイランで起きたパレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者暗殺に対する報復が「近いうちに予想される」と主張。事件への関与が濃厚なイスラエルをけん制した。
イランは暗殺発生直後、ハメネイ師が早々に報復の意向を宣言した。その後はパレスチナ自治区ガザの停戦交渉の行方を見極めながら先送りを示唆し、2カ月近く自制を続ける。ただ、ガザの停戦実現が遠のき、イスラエルの仕業とされる通信機器の一斉爆発や、イスラエル軍による幹部殺害でヒズボラが劣勢となる中、強硬姿勢に傾きつつある。
中東メディアによれば、イラクの親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」はヒズボラの指導者ナスララ師に「仮にあなたの殉教者が1000人に上れば、10万人の英雄を送り込んで支援する」と伝え、戦闘員をレバノンへ派遣する用意を表明した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派も「野蛮な犯罪で抵抗の意志が弱まることはない」と徹底抗戦を呼び掛けた。
イスラエル軍報道官は20日、「市民を守るため必要ならどこでも行動する」と強調。広範囲の軍事作戦継続を明言し、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは専門家の話として「このまま攻撃の強度が上がり続ければ、知らないうちに全面戦争に至る恐れがある」と報じている。
[時事通信社]
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