「私はレイプ犯」 妻を72人に性的暴行させた男、許し請う
【アビニョンAFP=時事】鎮静剤で当時の妻の意識を失わせ、インターネットで募った男72人にレイプさせたとして起訴されたフランス人ドミニク・ペリコ被告(71)の公判で17日、同被告が初めて証言し、「私はレイプ犯だ」と認めるとともに、元妻に許しを請うた。≪写真は、南仏アビニョンで、公判に臨むドミニク・ペリコ被告〈中央〉を描いた法廷画≫
ペリコ被告は2011年から2020年の約10年にわたり、先月、離婚が成立したジゼルさん(71)の意識を鎮静剤で失わせ、インターネットで募った男らにレイプさせたり、自らレイプしたりした罪に問われている。
当局はドミニク被告の他に72人の男の関与を確認し、うち計50人の身元を特定。全員が起訴されている。50人の年齢は26~74歳。
ペリコ被告はすでに起訴内容を認めているが、証言するのは今月2日の公判開始後初めて。
つえを突きながらゆっくり南仏アビニョンの法廷に入ってきた同被告は、他の50人と自分は何ら変わりがないと話し、全員がインターネットでの勧誘の趣旨を理解した上で参加したと証言。
「私はレイプ犯だ。ここにいる他の被告と同じだ」「彼女には、こんな目に遭ういわれはなかった」と続けた。
自身の生い立ちについて、「つらい」子ども時代だったと語り、両親は「互いに攻撃し合っていた」と振り返った。
さらに、9歳の時にレイプされ、見習いとして働いていた建設現場でもレイプされたことがあると証言。声を震わせ涙ながらに「トラウマになる出来事をずっと抱えていた」「生まれつきこうなのではない。こうなってしまうのだ」と訴えた。
ジゼルさんは、ペリコ被告が証言する間、感情を表に出すことはなかった。その後、自らも証言台に立った。ジゼルさんは、薬物を使用した性暴力に対する認識を高めるために公開裁判を求めて以来、フェミニストのアイコンとなっている。
「私は、この男を一瞬でも疑ったことはなかった」「この男を50年間愛していた。彼のためなら、自分の両手をささげてもいいとさえ思っていた」とジゼルさんは語った。
ペリコ被告はジゼルさんに許しを請うた。
「私は罪を犯した。妻、子どもたち、孫たち…私の謝罪を受け入れてほしい。受け入れ難いだろうが、許してほしい」「私はすべてを台無しにした。その償いをしなければならない」と訴えた。
ペリコ被告は、別の女性に対しても謝罪した。女性の夫とペリコ被告は、同様の手口でこの女性をレイプしたとして告訴されている。【翻訳編集AFPBBNews】
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