距離置く立民に、共産焦燥=共闘難航、候補擁立を加速
共産党が立憲民主党代表選(23日投開票)の論戦に焦燥感を募らせている。主要候補が共産との関係を見直す考えを示しているためだ。共産は野党共闘の土台が崩れたと判断。対抗措置として、立民現職のいる衆院小選挙区への候補擁立を加速させる構えだ。
「全国レベルでの選挙協力はしないという発言もある。先方から(共闘)しようとの意思が伝わってこない。これからも必要な候補者を立てていく」。共産の小池晃書記局長は17日の記者会見で、次期衆院選に向けた立民の姿勢に不満をあらわにした。
7日の代表選告示後、共産は立民の玄葉光一郎元外相の衆院福島2区に候補を擁立。小川淳也前政調会長の香川1区にも立てた。小川氏は2016年参院選の香川選挙区で、共産が野党統一候補となることに協力した当事者だっただけに、立民内には「共産による揺さぶりでは」との臆測も広がる。
代表選では、野田佳彦元首相(67)と泉健太代表(50)が共産と連立政権を組むことはないと明言。前回衆院選で、政権交代が実現した場合の「限定的な閣外からの協力」で合意した枝野幸男前代表(60)も、共産が求める全国統一的な選挙協力を否定する。
集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制への対応も共産は問題視している。野田、枝野、泉の3氏は、違憲とするものの即時廃止は困難との見解を示す。野党共闘路線につながる「野党連合政権」構想は15年の安保関連法成立を受け、当時の志位和夫共産党委員長が呼び掛けた。立民の現実路線への傾斜は共闘の後退に映る。
小池氏は会見で「野党共闘の原点は安保法制廃止だ。廃止しないとか、すぐには(廃止)しないということになると共闘の基盤が壊れてしまう」とけん制した。
[時事通信社]
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