鋭さ戻り大関撃破=若元春、堂々の左四つで―大相撲秋場所
顔をしかめた大関とは対照的に、若元春は白星をかみしめるように懸賞金の束を受け取った。結びで琴桜を撃破。「しっかり自分の相撲が出せたことはよかった」。3連敗中だった相手に対し、堂々の取り口を披露した。
今場所の琴桜は以前にも増して重い腰が生きているが、若元春が得意とする左四つで組めば簡単にはいかない。もろ差し狙いの相手に左を差し勝つ。体を振ると、大関の上手が切れた。ぐいぐい前進し、最後は体を預けるような寄り。「落ち着いて攻められた」と納得顔だった。
関脇から再び平幕に転落して迎えた先場所では、中盤からの6連敗もあって負け越し。黒星の多くは、立ち合いで精彩を欠いたものだった。
左四つという「武器」があるだけに「他の力士より軽い分、しっかり当たらないと持っていかれる」と自覚。今場所は一転、立ち合いで当たり負けしない鋭さが戻ってきた印象だ。
2敗をキープして8日目へ。「場所を通じて体が動いている。この調子を崩さないようにしたい」。無傷で快走する大の里を先場所では破っている。三役復帰を目指す30歳からも目が離せない。
[時事通信社]
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