立民代表選、世代間争いも=ベテラン復帰に期待と懸念
立憲民主党代表選(23日投開票)は世代間争いの側面もある。党源流の旧民主党時代に要職を歴任した野田佳彦元首相(67)と枝野幸男前代表(60)が、「民主党カラー」が比較的薄いとされる泉健太代表(50)に挑む構図。衆院当選1回の吉田晴美衆院議員(52)も参戦し、ベテラン復帰の是非も論点となっている。
党内は、民主政権の指導部メンバーだった小沢一郎衆院議員ら「第1世代」、1993年以降に初当選した野田、枝野両氏ら「第2世代」、2000年以降に初当選した泉氏ら「第3世代」などに分けられる。泉氏は当選8回と議員歴こそ長いが、民主政権では内閣府政務官を経験した程度だ。
泉氏は21年、枝野氏から立民代表のバトンを受け取り、執行部の「世代交代」を果たしたが、党勢低迷に苦しんだ。12日夜のBS11番組で「最も厳しいこの3年間、党を担い再生させてきた。先輩たちが代表選に出たくなる環境をつくってきた」と自負。代表の座を狙う野田、枝野両氏への対抗心をあらわにした。
野田氏は民主政権の最後の首相。当初は「昔の名前で出るのはよくない」と出馬に慎重だったが、かつて敵対した小沢氏の支援も受け、首相再登板を目指す方針に転換。「外交、財政、国の基本について実務で分かっている」と経験を売りにする。枝野氏も「与党(民主党)の幹事長、官房長官、経済産業相。首相を務めるに必要な経験は十分に積んだ」とアピールする。
4人の中で最年長の野田氏は「一番刷新感がない候補者」と自虐的な冗談を飛ばし、代表に就任すれば中堅・若手を要職に登用する考えを重ねて表明。吉田氏は「永田町に染まっていない1期生」だと訴えているが、推薦人には菅直人元首相らベテランも名を連ねた。
次期衆院選を控え、党内には「安定感」を求める声がある一方、世代交代に逆行することへの懸念もある。党関係者は「『昔の顔』に戻ることが本当にいいのか。民主党時代から若手を育てるのが下手だ」と漏らした。
◇主な立民議員の世代
【第1世代】
小沢一郎衆院議員(82)
菅直人元首相(77)
【第2世代(初当選1993年以降)】
安住淳国対委員長(62)
枝野幸男前代表(60)
玄葉光一郎元外相(60)
野田佳彦元首相(67)
【第3世代(同2000年以降)】
泉健太代表(50)
小川淳也前政調会長(53)
長妻昭政調会長(64)
西村智奈美代表代行(57)。
[時事通信社]
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