村上、青木にはなむけの一発=リーグトップの26号―プロ野球・ヤクルト
打席にとどまったまま、打球の行方を見届けるほどの完璧な一打だった。一回1死一、二塁。ヤクルトの村上が真ん中付近の速球を捉えると、打球は瞬く間に中堅方向へ。リーグトップの26号先制3ランで勝利を引き寄せた。
試合前には球団事務所で行われた青木の引退会見に姿を見せ、涙を流しながら花束を贈った。「きょうは特別な日。プロに入って野球を一から教えてもらったし、本当に特別な人。感謝しています」。はなむけの一発となった。
本塁打王争いでトップを走っているものの、127試合で26本は村上としては物足りない数字。打率も2割3分7厘と低迷している。近くで成長を見守ってきた青木は、会見で村上についての質問が飛ぶと「今はちょっと苦しんでいるが、プロ野球生活の中で必要なこと」と説いた。
プロ21シーズンで、日米通算2723安打を重ねた青木は、自身の野球人生を振り返り「いいことばかりでは人生は多分楽しくない。苦しみながら結果を残す。だからこそうれしいし、大きく成長できた」と語っていた。村上はここ4試合で3本塁打を含む6安打。大先輩の言葉通り、もがきながらも力を発揮している。
[時事通信社]
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