「弱腰で間違い」「極めて無能」=外交政策でも資質追及―米討論会
【フィラデルフィア時事】ハリス米副大統領とトランプ前大統領は10日のテレビ討論会で、指導者としての資質をそれぞれ問いただした。トランプ氏の外交政策を「弱腰で、間違っている」とハリス氏が断じると、トランプ氏はバイデン政権が各地で生じた紛争を阻止できなかったとして、ハリス氏を「極めて無能だ」と批判。互いに自らが軍の最高司令官として適任だとアピールした。
パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘について、ハリス氏が即時停戦やパレスチナ国家樹立を通じた「2国家共存」を訴えると、トランプ氏は「彼女はイスラエルが嫌いだ」と非難。自身が大統領だったら「戦闘は起きなかった」と言ってのけたが、停戦実現に向けた具体的な対応には言及しなかった。
ウクライナ侵攻に関しても、トランプ氏は大統領選に勝利すれば「就任前に戦争に決着をつける」と豪語。ただ、司会者から「ウクライナの勝利を望むか」と2回質問されても明確には答えず、「侵攻を終わらせ、交渉して合意することが米国にとっての最大の利益だ」と述べるにとどめた。
ハリス氏はこれに対し、トランプ氏が大統領に復帰すればウクライナを「見限る」と断言。副大統領として同盟・友好国と連携してウクライナを支援し、ロシアの侵攻を食い止めていると実績を誇示した。さらにトランプ氏が大統領ではないことに北大西洋条約機構(NATO)加盟国が「感謝している」とやり返した。
またハリス氏は、トランプ氏が独裁者に「お世辞で操られる」として、大統領在任時に関係の良かったロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記らが返り咲きを願っていると指摘した。
トランプ氏は、中国や北朝鮮などは自身を恐れていると反論。各国首脳はバイデン大統領やハリス氏を「弱くて無能だと考えている」と主張した。
[時事通信社]
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