石破氏「政党法」制定訴え=小林氏は政活費廃止、林氏は監査機関―政治不信の高まり意識・自民総裁選
自民党総裁選に名乗りを上げた3候補は10日、それぞれ政策発表の記者会見を開いた。いずれも派閥裏金事件に伴う政治不信の高まりを意識。石破茂元幹事長(67)は政党運営の在り方などを定めた「政党法」制定を打ち出し、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)は政策活動費の廃止に触れた。林芳正官房長官(63)は政治資金を監査する第三者機関の設置を主張した。
石破氏は「政党のガバナンスを律する政党法がこの国にはない。それでいいと私は全く思っていない」と強調。政党の党首選出や意思決定、会計・経理などの仕組みを、法律で明確に示す必要性を指摘した。
小林氏は「政策活動費を毎年公開し、できなければ廃止する」と説明。使途の透明化にとどまった8月の出馬会見より踏み込んだ。林氏は、第三者機関について「米国の連邦選挙委員会(FEC)を参考にしたい」と述べた。
選挙制度改革を巡っては、林氏が現行の衆院小選挙区制度の見直しに触れ、「党派を超え、有識者を交え検証していきたい」と表明。石破氏も「(議論を)党で始めなければならない」と足並みをそろえた。
選択的夫婦別姓制度への対応も争点の一つ。石破氏は「個人的には積極的」としつつ、実現の時期には踏み込まなかった。小林氏も「期限を切らないほうがいい」と指摘。当面の対応策として「旧姓の通称使用を広げていくことが大切だ」と提起した。
石破、小林両氏とも、1年以内の実現を掲げる小泉進次郎元環境相(43)との違いを明確にした格好だ。
3候補はそれぞれ、独自の論点もアピール。石破氏は、北大西洋条約機構(NATO)を参考にしたアジア太平洋地域の集団安全保障体制「アジア版NATO」創設や、災害対応を一元的に担う「防災省」設置を訴えた。
小林氏は「再生可能エネルギーに偏りすぎたエネルギー基本計画を抜本的に見直す」と主張。林氏は、地域インフラとして郵便局ネットワークを活性化する観点から「郵政民営化法の改正」を掲げた。
[時事通信社]
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