資本規制強化案を緩和=銀行業界の批判に配慮―米FRB副議長
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(金融規制担当)は10日、ワシントン市内で講演し、金融機関の資本規制強化案を大幅に緩和する方針を明らかにした。銀行業界からの批判の声に配慮した。
銀行自己資本に関する国際金融規制「バーゼル3」に基づく規制強化案を巡り、総資産1000億~2500億ドル(約14兆~36兆円)規模の中堅銀については、保有証券含み損の扱い以外は適用しない。
規制強化による中堅銀の自己資本増加幅は合計3~4%と想定される。大手銀に対しての規制案も一部見直し、増加幅は合計9%となる。当初案では対象行全体で16%の資本増加が見込まれていた。
2023年春、シリコンバレー銀行など中堅3行が相次いで破綻したことを受け、FRBなど米金融監督当局は同年7月、銀行システムの健全性向上を目的に、資本規制強化案を公表した。
ただ、資本規制強化は家計や企業への融資を抑制するリスクがあり、銀行業界が「経済に有害」(大手銀首脳)と反発。当初案へのパブリックコメント(意見公募)では、反対表明が大部分を占めた。
[時事通信社]
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