維新、兵庫知事疑惑で後手=辞職要求に転換、執行部批判も
パワハラ疑惑などを内部告発された兵庫県の斎藤元彦知事を巡り、日本維新の会が辞職と出直し知事選を求めた。煮え切らない態度を続けてきたが、厳しい世論を踏まえて方針転換に追い込まれた。他党に比べて対応が後手に回ったのは明らかで、党内から執行部批判も出ている。
維新の藤田文武幹事長は9日、国会内で臨時記者会見を開き、知事に辞職を求める方針を表明。「法的に決着がついたわけではないから見定めたいとの気持ちがあるが、県庁や関係者との信頼回復が今のままでは非常に厳しい」と説明した。「辞職を早く求めるべきだったとか、判断が遅いとの批判はある。正面から受け止めたい」とも語った。
これまで維新は県議会調査特別委員会(百条委員会)などでの真相解明を見守るとの立場だった。ただ、知事の問題が連日報道され、2021年7月の知事選で共に斎藤氏を推薦した自民党が早々に同氏を見限ったことで、世論の維新への風当たりは強まる一方となった。
先月の大阪府箕面市長選では、地域政党「大阪維新の会」が公認する現職「首長」が初めて敗れた。25年大阪・関西万博の建設費増加などに加え、知事問題が敗因の一つだとの見方がある。党関係者は「維新が知事を守っているように受け取られている。相当厳しい」と指摘した。
「身を切る改革」を掲げる維新は、これまで身内の不祥事には厳しく迅速に対応してきたとされる。自民総裁選後の早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰される中、党内に危機感が広がる。維新関係者は「1カ月前に知事を辞めさせておくべきだった。(党に)悪いイメージが付くと払拭するのは難しい」と執行部の対応の遅さを批判した。
[時事通信社]
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