ぶっつけ本番、馬力不足=貴景勝、不安拭えず―大相撲秋場所
口をとがらせ、悔しさを押し殺すようにして花道を引き揚げた。1場所での大関復帰を目指す貴景勝。黒星発進に「自分の相撲を取りたかったが、取れなかった」。首に古傷を抱える中、先行きが不安視されるスタートだ。
大関経験者の御嶽海に頭で当たって押そうとしても、相手は下がらない。右差しを許して起こされ、力なく後退。9度目のかど番で臨み、大関陥落が決まった7月の名古屋場所と同様に、一気に持っていく馬力が足りないのは明らかだった。
首の状態が改善せず、今場所前は本格的な稽古ができなかった。基礎運動は徹底してきたというものの、万全の状態にはほど遠いだろう。ぶっつけ本番の土俵にも「場所に入ったら関係ない」と言い訳はしない。ぶちかます取り口が生命線。綱渡りの日々が続きそうだ。
現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降、関脇に転落した場所で10勝を挙げ、大関復帰を決めたのは2019年秋場所の貴景勝自身を含めて6人(7例)いるが、初日黒星から返り咲いたケースはこれまでにない。「集中してやるだけ」。28歳は持ち前の闘志も前面に出し、巻き返しを期す。
[時事通信社]
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