量刑宣告、大統領選後に=トランプ氏の戦術奏功―口止め料事件
【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領が有罪評決を受けた不倫口止め料不正処理事件の量刑言い渡しが、予定された今月18日から大統領選後の11月26日に延期された。ニューヨーク州地裁が6日、選挙妨害だとして延期を求めたトランプ氏の訴えを認めた。
11月5日に迫った大統領選への影響を回避するため、担当判事の解任や公訴棄却などさまざまな申し立てを繰り返したトランプ氏の戦術が奏功した。同氏は四つの刑事事件で起訴されたが、公判まで進んだのは口止め料事件のみ。実刑が科される可能性もあった中、共和党候補として返り咲きを目指すトランプ氏にとって追い風となる。
州地裁は6日付の書面で、トランプ氏が連発した申し立ては「根拠に欠ける苦情」だと批判。一方で、裁判所は中立でなければならないとも強調し、延期は「大統領選に影響された、もしくは影響を与えようとしているとみられることを避けるためだ」と説明した。
トランプ氏はニューヨーク州法違反で2023年3月に起訴され、今年5月、米大統領経験者として初めて刑事裁判で有罪となった。
量刑宣告は当初7月11日の予定だったが、連邦最高裁が7月1日、別の事件に絡んで「大統領在職中の公的行為は起訴を免れる」と判断。トランプ氏が口止め料事件にも適用されると主張して有罪評決の無効を申し立てたため、9月に延期された経緯がある。
無効か否かの判断は今月16日に示されることになっていたが、11月12日に先送りされた。
ニューヨーク州検察は延期には反対せず、州地裁の判断に従うと表明していた。トランプ氏は自身のSNSで「魔女狩りは延期された。不正はなかったと誰もが気付いたからだ!」と述べた。
[時事通信社]
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