「不信任」でも続投可能?=斎藤知事への対応焦点に―兵庫県議会
兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)で6日行われた斎藤元彦知事への証人尋問を踏まえ、各会派は不信任決議案提出も含めた検討を本格化させる。地方自治法によると、不信任案の可決には出席議員の4分の3以上の賛成が必要で、可決の場合でも斎藤氏が議会を解散すれば、少なくとも当面は続投が可能。各会派が世論も踏まえ、どう対応するかが今後の焦点となる。
◇「失職」か「議会解散」か
不信任案の可決には、全議員の3分の2以上が出席し、出席議員の4分の3以上の賛成が要件となる。現在、県議会は定数86で、最大会派自民党の県議団は37人、日本維新の会の会派がこれに次ぐ21人。仮に全議員が出席すると、可決には65人以上の賛成が必要だ。
可決されれば、斎藤氏は10日以内に議会を解散するかどうかを判断。解散しない場合は失職する。議会解散を選べば県議選が行われ、その後の議会で不信任案が再可決されれば、斎藤氏は失職する。再可決の要件は出席議員の過半数の賛成で、1回目の可決と比べハードルは下がる。
◇辞職勧告なら続投か
議会内には、百条委での審議が年末まで続くことなどを理由に、今回は斎藤氏への辞職勧告決議案を出した上で、改めて不信任案の提出を模索する動きもある。知事の辞職勧告決議が可決されると、県の提出議案を議会が可決しなくなるケースもあり、来年度予算案が成立せず、予算執行できなくなる恐れもある。
もっとも、斎藤氏は続投への意欲を繰り返し表明しており、辞職を勧告されても応じないとの見方が強い。さらに、斎藤氏が失職や辞職した後、再び知事選に出馬する可能性も指摘される。出直し知事選になれば、県民が選挙で判断することになる。
総務省によると、知事の不信任決議が可決した例は過去に4回あり、いずれも失職するか、失職を待たずに辞職している。長野県では、ダム計画中止を表明した田中康夫知事(当時)が失職後、2002年9月の知事選で再選した。
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