攻撃力磨いて栄冠=東京パラの「遺産」も後押し―ゴールボール〔パラリンピック〕
パリ・パラリンピックのゴールボール男子で5日、日本が決勝でウクライナに4―3で勝って初の金メダルを獲得した。視覚障害のある選手による競技で、初出場だった前回の東京大会は5位。定評のあった守備力に比べて劣っていた攻撃力を磨いて栄冠を勝ち取った。
攻撃強化に生かされたのが東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)イーストだった。東京五輪・パラリンピックに向けて2019年に開所。現在はここを練習拠点とする。設備が整い、選手は施設に常駐する専門家の意見を聞きながら徹底的に筋力、体幹を強化してきた。
ゴールボールで使う球の重さは1.25キロ。速い球を投げるには強い力が必要だ。選手はトレーニングによって筋肉量の数字などが目に見えて向上し、狙い通りに攻撃力がアップ。エースの宮食は「コンスタントに点を取れるチームになった。いつでも得点できるから(失敗を恐れず)守備もできる」と、3年前との違いを強調。NTCで長期合宿を多く組んだことでチームメートと一緒に過ごす時間が増え、互いの理解が深まりプレーにも生きた。
東京大会後にはパラスポーツの認知度が上がり、競技環境がさらに改善。選手は「アスリート雇用」で企業に所属し、合宿に集中できる時間が増えたという。日本代表の工藤ヘッドコーチは「選手たちの目標に対する努力と、環境が大きかった」。自国での大イベントの「遺産」も優勝を後押しした。 (時事)
[時事通信社]
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