若隆景、地に足着けて=「下からの攻め」健在―大相撲「上昇気流に乗って」(下)
活気ある稽古場では、おのずと熱が入る。秋場所を控えた8月末、荒汐部屋では出稽古に来た力士を含めて多くの関取衆が次々と申し合い。幕内に復帰して2場所目となる若隆景は低い姿勢からの速攻、強烈なおっつけと本来の持ち味を存分に発揮。「少しでも状態を上げられるように。しっかりと稽古をする」。黙々と汗を流す姿は、関脇にいた頃と同じだ。
昨年の春場所で右膝に大けが。手術と懸命なリハビリを乗り越えて幕下から再起し、名古屋場所で1年ぶりに番付を幕内に戻した。「一日も早く上がれるようにやってきた。待っていてくれた人がたくさんいる」。2桁白星と結果がついてきたことはもちろん、土俵に立てる喜びをかみしめた。
秋場所は東前頭7枚目。事あるごとに元の地位への思いを聞かれるが、全く気にする様子を見せない。「戻ってきたという感じはあるが、そういうことは考えない」。あくまで意識するのは相撲内容そのもの。けがをする前から変わらない「下からの攻め」に徹し、横綱審議委員による稽古総見でも、大の里らを相手に鋭い取り口を披露した。
自身が幕内の土俵に立てない間に若い力士が台頭。負けていられないとの思いは強いだろう。優勝経験を持つ29歳が秋場所の主役になり得る可能性は十分。「しっかり目の前のことをやるだけ」。地に足を着けて進む先に、三役復帰、そしてかつての地位が待っている。
[時事通信社]
最新動画
最新ニュース
写真特集
-
【高校通算140本塁打の強打者】佐々木麟太郎
-
【駅伝】第101回箱根駅伝〔2025〕
-
【野球】慶応大の4番打者・清原正吾
-
【競馬】女性騎手・藤田菜七子
-
日本人メダリスト〔パリパラリンピック〕
-
【近代五種】佐藤大宗〔パリ五輪〕
-
【アーティスティックスイミング】日本代表〔パリ五輪〕
-
【ゴルフ】山下美夢有〔パリ五輪〕