河野氏、年末調整廃止を主張=公約発表、茂木氏「列島再改造」―加藤氏、10日出馬表明を調整・自民総裁選
自民党総裁選(12日告示、27日投開票)に立候補する河野太郎デジタル相(61)と茂木敏充幹事長(68)は5日、それぞれ記者会見で公約を発表した。河野氏は、将来的に年末調整を廃止し、全納税者が確定申告する仕組みを整えると主張。茂木氏は、半導体製造拠点などを地方に設置し、関連産業を含めて活性化させる「日本列島の再改造」を掲げた。
加藤勝信元官房長官(68)は10日に出馬を表明する方向で最終調整に入った。6日には小泉進次郎元環境相(43)が出馬会見を開く。
河野氏は公約で、厚生労働省の分割を提起。「医療・介護と労働・年金に分割して専任の大臣を置けば、スピーディーに政策立案・執行を見ていくことができる」と述べた。
日本周辺の厳しい安全保障環境を踏まえ、自衛隊への原子力潜水艦配備にも言及。中国の強引な海洋進出などを念頭に「東シナ海から太平洋へ出るところを抑える戦略を採る議論をしなければいけない」と訴えた。
一方、茂木氏は「雇用を生み出す事業拠点や、人材の集まる知の拠点が東京に集中している」と指摘。「拠点を地方に立地することで雇用をつくり、若者が集まり、人材流出を止められる状況をつくっていく」と強調した。
省庁再編も打ち出した。エネルギーの安定供給と脱炭素化を一体的に進めるため、環境省と資源エネルギー庁を「GX(グリーントランスフォーメーション)省」に統合。また、ハローワークを「職業選択支援庁」として機能強化する考えを示した。
首脳外交を巡っては、北朝鮮による日本人拉致被害者の帰国に向け、金正恩朝鮮労働党総書記と「早期のトップ会談を実現する」と述べた。
総裁選ではこれまでに河野、茂木両氏を含め5人が立候補を表明。小泉氏に続いて高市早苗経済安全保障担当相(63)が9日に出馬会見を開く。上川陽子外相(71)も20人の推薦人確保を急いでおり、訪問先のオーストラリアで記者団に「一つ一つ積み上げたい」と語った。推薦人を確保できれば11日に表明する意向だ。
野田聖子元総務相(64)の事務所は、7日に地元岐阜市で「出馬表明」会見を開くと発表。関係者によると、推薦人確保が「射程に入った」という。
[時事通信社]
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