パリ五輪出場のウガンダ選手、恋人に火つけられ死亡
【ナイロビAFP=時事】ケニアで交際相手に襲われ、体に火をつけられていた陸上女子長距離のレベッカ・チェプテゲイ(ウガンダ)選手(33)が5日に死亡した。ウガンダ・オリンピック委員会の会長が明かした。≪写真は、第19回世界陸上ブダペスト大会、女子マラソン。レースに臨むウガンダのレベッカ・チェプテゲイ〈資料写真〉≫
会長はX(旧ツイッター)への投稿で「われわれの五輪選手のレベッカ・チェプテゲイが、交際相手による残忍な攻撃を受けて亡くなったことを知らされた」「卑劣で不条理な行為により、偉大なアスリートを失う結果になった。彼女のレガシーは今後も残り続ける」とつづった。
ウガンダの陸上競技連盟もXで、チェプテゲイ選手が「家庭内暴力の犠牲」となり、5日早朝に亡くなったと発表。「連盟として、このような行為を非難し、正義を求める。彼女の魂が安らかに眠りますように」と記した。
チェプテゲイ選手は先日のパリ五輪に参加したばかりだった。五輪ではマラソン女子に出場し、44位だった。
治療に当たっていたケニア・エルドレット市内の病院責任者は3日、チェプテゲイ選手は体の80パーセントにやけどを負ったと明かしていた。同病院の医師は、4日夜にチェプテゲイ選手の「すべての臓器が機能不全になった」と語っている。
警察によると、チェプテゲイ選手は1日、ケニア西部トランスンゾイアの自宅で交際相手の男にガソリンをかけられ、火をつけられた。
ケニアのメディアによると、チェプテゲイ選手の娘の一人が襲撃の場面を目撃していた。国内日刊紙スタンダードは、娘が「私が母を助けようと走っていると、男に蹴られた」「すぐに助けを求めて叫び、近所の人が水で火を消そうとしたけど、できなかった」と話したと報じている。
この事件で男も負傷し、体の30パーセントにやけどを負った。
警察は、チェプテゲイ選手と男は「いさかいが絶えなかった」と話している。
今回の事件で、再びケニアにおける家庭内暴力の問題に注目が集まっている。ケニア国家統計局が2023年1月に発表した最新のデータによると、ケニアの女性の34パーセントが15歳以降に身体的暴力を経験したとされている。【翻訳編集AFPBBNews】
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