2024-09-04 23:20スポーツ

待望の舞台で完全燃焼=斎藤、出産経て健闘―陸上女子砲丸投げ〔パラリンピック〕

女子砲丸投げ(上肢障害F46)決勝の競技を終え、手を振る斎藤由希子=4日、サンドニ
女子砲丸投げ(上肢障害F46)決勝の競技を終え、手を振る斎藤由希子=4日、サンドニ

 メダルには届かなかったが、やり切った。今大会から実施種目に戻った女子砲丸投げ(上肢障害F46)で斎藤は4位。「本当に楽しかった」と念願の大舞台に立てた喜びをかみしめた。
 生まれつき左肘から先がない。中学の授業中にドッジボールをしていた時、担任に砲丸投げを勧められた。大学4年の時に当時の世界記録となる12メートル47をマーク。才能を発揮した。
 斎藤のクラスの砲丸投げは、2012年ロンドン大会から実施種目を外れた。やり投げで出場を目指した東京大会は代表入りならず。引退も考えたが、復活の吉報が届いた。
 22年3月には長女を出産。パリ大会出場に向けて産休2カ月で復帰した。体重は15キロも減り、試合では10メートルも投げられないところから、体も技術も戻してきた。
 この種目には15人が出場。競技を始めた当初は勝つのが当たり前だったが、近年は選手も増え、レベルも格段に上がった。「砲丸投げでしっかり負けてよかった。もっと記録を伸ばせば、とか向上心を持って考えることができる環境が幸せ」と語った。
 日本で見守ってくれた夫と娘にメダルを届けることはできなかったが、「後悔はない。これが全部自分の財産になる」。やり切った思いから涙が流れた。 (時事)
[時事通信社]

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