「時短」進むプロ野球=ピッチクロック検討で変化―プロ野球
プロ野球で試合のスピードアップが進んでいる。日本野球機構(NPB)によると、今季9回で終了した試合の平均時間は、2日終了時点でセ・リーグが3時間1分、パは3時間。7月の前半戦終了時点ではセ、パともに3時間ちょうどで、昨年の同時期より6分短くなっていたが、1カ月余り経過した今もその傾向は変わらない状況だ。
NPBでは近年、時間短縮に注力している。米大リーグ機構(MLB)はテレビ放映権を主な収入源とし、その意向を無視できない状況を踏まえ、時短対策の一環として延長回のタイブレークやピッチクロック(投球間の時間制限)などを導入。五輪競技定着に向け、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)などが時短を「アピールポイントとして有効」と捉える背景もある。
プロ野球の榊原定征コミッショナーと12球団オーナー会議は昨年、MLBで同年から採用されたピッチクロックを日本でも実施すべきかを検討するよう実行委員会に指示。その結果、採用については当面静観し、まずは「前打者の打席完了から次打者が構えるまで30秒を超えない」という以前からの申し合わせ事項を徹底することで落ち着いた。
「30秒マナー」と呼ばれる取り組みは、審判の運用もあり、目標としていた2時間台の試合が増えることにつながった。関係者は「30秒マナーが時短に貢献したのは間違いない。ピッチクロック(検討)の一件もあり、選手の意識が大きく変わった」と解説する。
スピーディーなプロ野球はファンも含め、おおむね好意的に受け入れられているようだ。30秒マナーについては「時間をかけた駆け引きも勝負の醍醐味(だいごみ)」という声もあるが、今は選手ら現場から特に問題視する意見もないという。
グラウンドルールなどを集中審議するNPBのゲームオペレーション委員会では、ホームチームの打者が登場する時に球場で流す曲を10秒以内に徹底するよう、12球団の球場責任者に要望。これまで以上に時短を強く意識して取り組む方針を確認している。
[時事通信社]
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