ネタニヤフ首相にガザ停戦圧力=イスラエルで大規模スト
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルのネタニヤフ首相に対し、イスラム組織ハマスと人質解放に向け合意するよう求める圧力が強まっている。停戦交渉が滞る中、1日のデモに続き、2日には「何よりも合意が重要だ」と主張する主要労組の労働総同盟の呼び掛けで、大規模なストライキが行われた。
現地からの報道によると、商都テルアビブ近郊のベングリオン国際空港では、大部分の飛行機の出発を取りやめた。交通会社はバスなどの運行を中止。銀行もストに参加し、病院は業務を縮小した。
イスラエル軍は1日、前日の作戦でガザ最南部ラファの地下トンネルで人質6人の遺体を収容したと発表した。6人は数日前にハマスが射殺したとされ、停戦合意が成立していれば、このうち少なくとも3人は第1段階で解放される見込みだったと報じられた。
これを受け、エルサレムやテルアビブなどでは1日、約50万人が参加し大規模なデモが行われた。デモ隊と警官隊との衝突も起きた。
人質解放を含む停戦交渉は、イスラエルがガザ南部の対エジプト境界地帯への部隊駐留に固執し、部隊の完全撤退を求めるハマスとの間でこう着。ハマスに譲歩する形での合意は、極右政党が参加する連立政権崩壊につながることから、ネタニヤフ氏は自身の政治的延命のために交渉を引き延ばしていると批判を浴びている。
米紙ワシントン・ポストは、交渉を仲介しているバイデン米政権が、共に仲介役を担うエジプトとカタールと協議の上で、数週間以内に「最終提案」を示す予定だと報じた。イスラエルとハマスの双方が受け入れなければ、米国が参加する現在の形での交渉を終わらせる可能性があるという。
[時事通信社]
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