五輪敗北乗り越え政界へ=「脇甘い」との声も―堀井前議員
公選法違反罪などで略式起訴された堀井学前衆院議員は、スピードスケート選手として出場した長野冬季五輪での敗北を乗り越え政界に進出し、内閣府副大臣まで務めた。ただ、その仕事ぶりについて、周囲からは「脇が甘いタレント議員だ」との厳しい声も出ていた。
堀井氏は1994年リレハンメル五輪に出場し、男子500メートルで銅メダルを獲得。金メダル有力と目された98年長野五輪では、8位入賞も逃し惨敗した。
現役引退後の2007年、北海道議選に出馬して初当選。2期目途中だった12年に衆院選で初当選を飾り、国政進出を果たすと、外務政務官や内閣府副大臣を歴任した。衆院選出馬は、同じくスピードスケート選手だった橋本聖子参院議員らが要請した。
21年東京五輪を前にしたインタビューでは、「長野五輪での失敗と向き合って乗り越えられたから今の自分がいる」と振り返り、「日の当たらない人をどう救うかに目を向けられるようになったのは、長野五輪での経験があったからこそだ」と語った。
地元北海道では当初、アスリート出身の政治家として好評を得ていた。ある支援者は「よく地元に帰ってきていた。若さと清廉なイメージで人気もあった」と話す。
しかし、21年衆院選で比例復活の当選となった頃から、SNSを利用して支持層を若者に広げようとする一方、地元に帰る機会は減り、支援者からの評判も悪化していったという。
ある事務所関係者は「一から十まで目配りができておらず、『分からない』『お任せします』という対応が多い」と明かす。「選手の時は自分が滑ることだけに没頭すればよかったかもしれないが、政治の世界は違う。脇が甘く、何も知らないタレント議員だ」と切り捨てた。
[時事通信社]
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