永世称号、「名誉」の重さ=大記録追う藤井七冠―将棋
藤井聡太七冠(22)が7月に得た永世棋聖に続き、永世王位の資格も手に入れた。藤井七冠に塗り替えられるまで永世称号獲得の最年少記録(23歳11カ月、永世棋聖)を53年間保持し、永世王位も持つ中原誠十六世名人(76)は「藤井さん、追い掛けてきますね」と笑みを漏らす。
2009年に引退した中原さんはタイトルを通算64期獲得(歴代3位)。名人、棋聖、王位の他に十段(竜王の前身)と王座の永世称号も持つ「永世五冠」だ。現役で永世七冠の羽生善治九段(53)はタイトルを99期獲得している。24期獲得となった藤井七冠にとっても、2人が積み上げた大記録は仰ぎ見るほどの「高峰」と言える。
永世称号の意味について中原さんは「名誉です。永世王位は、大山康晴十五世名人と私と羽生さんの3人しかいなかったのですから」と語る。今期王位戦第1局が開幕する前日、藤井七冠も記者会見で「永世称号の懸かるシリーズになる」と述べ、珍しく意識している様子を見せていた。
中原さんは1976年の第35期名人戦7番勝負で3勝2敗として、通算5期の永世名人資格に王手をかけた。しかし勝負の第6局の終盤、「自然流」と呼ばれた王道の指し回しが乱れ、挑戦者の米長邦雄八段(当時、後の永世棋聖)に痛い逆転負けを喫した。
最終第7局は「会心の将棋」で勝ち、念願を果たしたが、第6局での乱調に関しては「永世名人を意識して勝ち急いでしまった」と振り返る。将棋の歴史に名を残す永世称号には、時の最強棋士でさえ平常心を奪われるほどの名誉の重さが宿っている。
[時事通信社]
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