ウクライナ軍人、戦地から夢舞台へ=メリニク、砲撃で負傷も復帰―パラリンピック・シッティングバレー
パリ・パラリンピックのシッティングバレーボール男子に、ロシアの侵攻を受けるウクライナの最前線で戦う同国の軍人が参加する。米NBCテレビなどによると、ドミトロ・メリニク(45)は戦闘で左脚を負傷し、手術を経て復帰。苦難を乗り越え、2大会ぶりの夢舞台に臨む。
18歳の時、父親の手伝いで修理していた6階のバルコニーから転落。骨盤や左股関節に大けがをし、左脚が右脚より数センチ短くなった。1年半のリハビリ後に競技を始め、2016年リオデジャネイロ大会に出場。5位に入り、「忘れがたい経験」と振り返る。
22年2月にロシアによる侵攻が始まった。障害を理由に軍隊への参加を何度も断られたが、自費でドローン操縦士の訓練を受け、昨年3月に航空偵察部隊への入隊を認められた。「どうにかして力になれるのなら」との思いだった。市販のドローンを特別な小型偵察機に改造する任務などに当たっているという。
昨年8月、ウクライナ東部ドネツク州で砲撃を受け、左脚を負傷。「地獄のような」痛みに苦しみ、2度手術を受けた。死の恐怖と隣り合わせの最前線で母国を守る傍ら、「チームをがっかりさせるわけにはいかない」とバレーの練習にも汗を流してきた。障害者スポーツの祭典で「勝利」を目指す。(時事)
[時事通信社]
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