投手力と堅守光る=本塁打わずか7本―高校野球
第106回全国高校野球選手権大会は京都国際の初優勝で幕を閉じた。
決勝を戦った両校は、投手力と堅い守備が際立っていた。京都国際はエース中崎と2年生西村の両左腕が実力を発揮した。中崎は1完封、西村は2完封。打線は単打に小技を絡め、守備陣も安定感があった。堅実な野球を最後まで貫いた。
関東一も守り勝つ野球を体現。準決勝で中堅手の飛田が見せた劇的なバックホームだけでなく、二塁手の小島と遊撃手の市川を中心に堅守が光り、坂井や畠中ら投手陣を支えた。3回戦から準決勝まではいずれもロースコアの1点差をものにした。
今春の選抜大会から導入された新基準の低反発バットの影響は夏も引き続き残った。金属バットが導入された1974年以降、最少となる7本塁打。ここぞでの集中打や守備が試合を大きく左右した。
32年ぶり出場の大社(島根)はエース馬庭を中心に、実力校を次々に撃破。8強入りと、躍進を遂げた。夏初出場の石橋(栃木)、大応援に後押しされた掛川西(静岡)も鮮やかな印象を残した。
一方で、優勝候補の呼び声が高かった強豪は早々に姿を消した。選抜大会覇者の健大高崎(群馬)は2回戦、同準優勝の報徳学園(兵庫)は1回戦敗退。大阪桐蔭(大阪)も2回戦であっけなく散った。出場校同士の実力が拮抗(きっこう)した大会だったと言える。
[時事通信社]
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