「労働者第一の国築く」=ウォルズ副大統領候補が演説―「富裕層優遇」と共和党批判・米民主党大会
【シカゴ時事】米中西部イリノイ州シカゴで開催中の民主党全国大会は21日、3日目を迎え、副大統領候補のウォルズ・ミネソタ州知事(60)が指名受諾演説を行った。小さな農村に生まれつましい生活を送った経験から、「労働者が第一の国を築く」と強調。トランプ前大統領(78)率いる共和党を「富裕層優遇」と批判し、「われわれは後戻りしない」と対決姿勢を鮮明にした。
「コーチ・ウォルズ」。会場には高校のアメリカンフットボールのコーチを務めたウォルズ氏の愛称を記したプラカードが躍り、登壇前にはかつての教え子が応援のビデオメッセージを寄せた。演説では、共和党支持の強い選挙区で下院議員に当選した経緯から「党派を超えて働くことを学んだ」と語り、幅広い有権者にアピールした。
柔和な人柄とは裏腹に、共和党批判は鋭い。トランプ氏が大統領に返り咲けば「中産階級の生活コストを引き上げ、社会保障を骨抜きにする」と警告し、「間違っており、危険だ」と気勢を上げた。ハリス副大統領(59)と自身が当選すれば、中低所得層への減税や住宅コスト引き下げを実現すると約束した。
共和党は、17歳で陸軍州兵に入隊したウォルズ氏が、戦闘地域に派遣されていないにもかかわらず「戦争用の武器」を携行したと過去に語っていたことをやり玉に挙げ、「軍歴誇張」などと批判している。これに関しウォルズ氏は「24年間、誇りを持って(州兵を)務め上げた」と反論した。
大会では、ウォルズ氏に先立ち、2028年以降の大統領候補に取り沙汰される若手らが登壇。同氏と副大統領候補の座を競ったシャピロ・ペンシルベニア州知事(51)やブティジェッジ運輸長官(42)らが会場を盛り上げた。
クリントン元大統領やペロシ元下院議長ら重鎮も演壇に上がり、挙党態勢を印象付けた。党大会は22日、ハリス氏の指名受諾演説を最後に閉幕する。
[時事通信社]
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