「ロシア寄り」批判かわす狙いも=印首相、23日ウクライナ訪問
【ニューデリー時事】インドのモディ首相は23日、ロシアの侵攻を受けるウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談する。侵攻開始後も友好関係を維持するロシアに一方的に肩入れしない姿勢を強調し、「ロシア寄り」批判をかわす狙いもありそうだ。
「ウクライナ紛争の平和的解決に関する見通しを共有する」。モディ氏は21日、出発に際してX(旧ツイッター)にこう投稿。ゼレンスキー氏との関係を「友人でありパートナー」と表現した。
7月にはロシアでプーチン大統領と会談し、抱擁を交わした。米国で開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で対ロ結束を呼び掛けていたさなかだったこともあり、ゼレンスキー氏は「平和への努力に対する壊滅的打撃」などとX上で不快感を示した。
米国はインドの独自外交に一定の理解を示しつつも、印ロ会談に懸念を伝えていた。モディ氏のウクライナ訪問は、西側諸国における評価を挽回したいという思惑があるとみられる。
ただ、インドがロシアとウクライナの停戦を仲介する用意があるかははっきりしない。ネール大のアシュトシュ・アナンド助教授(ロシア研究)は、モディ氏が和平交渉を促すだろうとしつつ、今回のウクライナ訪問は「ロシアと米国、ウクライナのどれか一方にはくみしないという明確なメッセージになる」と指摘した。
[時事通信社]
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