大屋根リング、閉幕後は再利用=追加費用発生リスクも―大阪万博
日本国際博覧会協会(万博協会)は、2025年大阪・関西万博の会場予定地で21日につながった「大屋根リング」を目玉の一つに位置付ける。当初、リングに使われた木材は閉幕後全て撤去する方針だったが、「無駄遣い」との批判を回避するため、建材としての再利用などを検討中だ。ただ、再利用することで逆に新たな費用負担が発生するというリスクもはらむ。
リングの建設費は344億円。会場全体の建設費が上振れしたことなどを受け、リングにも無駄遣いとの指摘が上がった。このため、万博協会は今年2月、リングの再利用案を公募。自治体や企業など20団体から提案があり、このうち自然公園の道路や東日本大震災の復興施設への活用など13件を実現可能と判断した。
一方、これらの提案で使われる木材は計6000立方メートルで、全体(2万7000立方メートル)の2割程度にとどまる。また、多くの団体はほぼ無料での引き取りを希望。344億円の中には解体費が含まれるが、あくまで撤去を想定したもので、再利用を前提とした「丁寧な解体」には追加費用が必要となる見通しだ。
協会は25年1月以降、木材の譲渡先を募集する予定で、今後解体や再利用の議論を具体化していく。石毛博行事務総長は「開幕して(木材の)ブランド価値が上がる可能性もある。(解体費用を譲渡先に)負担してもらえないと諦める必要はない」と楽観的な見方を示すが、内容次第で巨額費用への批判が再燃する恐れもある。
[時事通信社]
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