2024-08-14 13:00

岸田首相、退陣へ=自民総裁選、不出馬表明―裏金事件で引責、「党が変わる一歩」

 岸田文雄首相(67)は14日、首相官邸で記者会見し、9月の自民党総裁選に出馬しない意向を表明した。「来たる総裁選には出馬しない」と明言した。自民党の派閥裏金事件を受けて、自ら退陣することで、党勢の回復を目指す。首相の党総裁任期は9月末で満了を迎え、新総裁選出後に退任する。
 首相は会見で、総裁選では「新生自民党」を示すことが必要だと述べるとともに、「自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は私が身を引くことだ」と決断の理由を説明。「総裁選を通じて選ばれた新たなリーダーを一兵卒として支える」とも語った。
 自らの不出馬表明によって「けじめをつけ総裁選に向かっていきたい」と強調。新総裁については「政治とカネ」を巡る問題で「後戻りすることがないような方であってもらいたい」と語った。「オール自民党でドリームチームを作り、信頼回復に取り組んでもらいたい」と期待を示した。
 昨年末以降、自民の派閥裏金事件を巡って世論の批判が高まり、内閣支持率は低迷が続いていた。衆院議員の任期満了は来年10月で、自民内からは岸田首相では次期衆院選は戦えないとして、裏金事件での引責を求める声も相次ぎ、自民総裁選への対応が注目されていた。
 首相は2021年10月に就任。同年10月の衆院選、22年7月の参院選を乗り切り、防衛費の大幅増額や少子化対策の財源確保策などに取り組んできた。
 首相の退陣表明を受け、「ポスト岸田」に向けた総裁選の動きが本格化する。石破茂元幹事長(67)や河野太郎デジタル相(61)が出馬に意欲を示し、小泉進次郎元環境相(43)、高市早苗経済安全保障担当相(63)、小林鷹之前経済安保担当相(49)、茂木敏充幹事長(68)の名前も取り沙汰されている。 

 

 ◇岸田政権の足跡
2021年 9月 自民党総裁選で、河野太郎氏ら3人を破り勝利
     10月 第100代首相に就任。岸田内閣発足。衆院選で自民261議席、岸田内閣継続
  22年 7月 参院選で自民、改選過半数の63議席
         選挙期間中に安倍晋三元首相銃撃死
      9月 安倍元首相の国葬
     12月 旧統一協会問題で被害者救済法成立
         安保関連3文書改定、反撃能力を明記
  23年 3月 ウクライナ訪問
         韓国大統領来日。元徴用工問題で前進
      4月 こども家庭庁発足
      5月 新型コロナ5類に移行
         広島で先進7カ国首脳会議(G7サミット)
      8月 福島第1原発の処理水放出開始
     12月 東京地検特捜部が安倍派事務所などを捜索
 24年  1月 岸田派解散を表明。安倍派など追随
      2月 政治倫理審査会に出席
      3月 日銀がマイナス金利解除
      4月 裏金事件で安倍派元幹部らを処分
         訪米し議会で演説
      6月 政治資金規正法を改正
         1人4万円の定額減税実施
      8月 総裁選不出馬を表明
[時事通信社]

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