ケバブはドイツ発祥?=食文化巡りトルコと論争
【ベルリン時事】肉をぎっしり重ねた独特の回転式グリルで知られるトルコの代表的料理ケバブを巡り、同国とドイツの間で論争になっている。トルコに本部がある「国際ケバブ連盟」は2022年、欧州連合(EU)に伝統的な調理法だけをケバブと認めるよう申請。欧州のケバブブームの火付け役を自任するドイツは「ケバブはドイツ産だ」と反発している。
EUは特色ある産品を保護する認証制度を設けており、域外からも申請を受け付けている。トルコ側の申請によると、ケバブの調理法は1546年の記録までさかのぼり、19世紀にオスマン帝国領内に広がった。使用できる肉は一定条件を満たす牛と羊、ニワトリと定めている。
一方、トルコ系住民の多いドイツでも食文化としてケバブが定着。ドイツは売上高で欧州全体の7割弱を占める「ケバブ大国」だ。ベルリン市はウェブサイトで、トルコ移民の一人が「1972年に初めて肉をパンに挟むドイツ版ケバブを発明した」との逸話を紹介。トルコの申請が通れば、ドイツで普及している七面鳥や子牛を使う調理法は、ケバブと呼べなくなる。
トルコ移民2世のエズデミール独食糧・農業相はX(旧ツイッター)で「ケバブはドイツのものだ。トルコの物差しで測る必要はない」と批判。独政府はEUに異議を申し立てた。ドイツでは肉の代わりに豆腐の薫製などを使う「野菜ケバブ」も普及しており、こうした多様性が損なわれるとの懸念も出ている。
EU欧州委員会は、近く申請の是非を判断する。独メディアによると、トルコ側は「ドイツ市場に損害を与えるつもりはなかった」などと釈明し、話し合う姿勢を見せているという。
[時事通信社]
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