イスラエル軍のガザ学校空爆、各国が非難
【ガザ市(パレスチナ自治区)AFP=時事】パレスチナ自治区ガザ市の学校がイスラエル軍に空爆され避難民少なくとも93人が死亡したのを受け、各国は10日、イスラエルを非難するとともに、即時停戦を改めて求めた。≪写真は、パレスチナ自治区ガザ市で、イスラエル軍の攻撃を受けた学校で泣き叫ぶ男性≫
ガザ地区の民間防衛当局によると、ガザ市のタービイーン宗教学校とモスクがイスラエルの攻撃を受け、少なくとも93人が死亡。うち17人は女性と子どもだった。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以来、1回の攻撃としては犠牲者を最も多く出した惨事の一つとなった。
イスラエル軍は死者数に異議を唱えている。また、攻撃で少なくとも19人の「テロリスト」を殺害したと発表した。
各国・機関の反応をまとめた。
■米国
ホワイトハウスは声明で、「民間人の犠牲に関する報を深く懸念している」とし、情報を収集中だと述べた。その上で、攻撃により「停戦と人質解放の緊急性が強つ示された」とし、「われわれは実現に向け鋭意努力する」とした。
■英国
デービッド・ラミー外相はX(旧ツイッター)に「タービイーン学校へのイスラエル軍の攻撃と悲劇的な人命喪失にがくぜんとしている」と投稿。「民間人を保護し、すべての人質を解放し、援助に対する制限を終わらせるために即時停戦を必要としている」と訴えた。
■フランス
外務省は声明で、「数週間にわたって学校の建物が繰り返し標的にされ、耐えがたい数の民間人が犠牲になっている」と指摘。「イスラエルは国際人道法を尊重しなければならない」と述べた。
■欧州連合(EU)
ジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表(外相)はXで、避難所となっていた学校がイスラエルの攻撃を受けた映像に「戦慄(せんりつ)を覚えた」とコメント。「過去数週間で少なくとも10校が標的にされた。こうした虐殺に正当化の余地はない」と断じた。
■エジプト
イスラエルと外交関係を持ち、イスラエル・ハマス間の交渉にも関与しているエジプトは、今回の攻撃は「国際法と人道法をないがしろにして行われた」として、「イスラエル側にこの凶暴な戦争を終わらせる意思がない」ことを示していると述べた。
■イラン
イラン外務省のナセル・カナニ報道官は、今回の攻撃が「イスラエルが国際法や道徳的・人道的原則を一切尊重していないことを改めて示した」と語った。
■レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、攻撃を「恐ろしい虐殺」と表現し、パレスチナ人との連帯を示すため、世界中でイスラエルに対し非難の声を上げるよう呼びかけた。
■世界保健機関(WHO)
テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長はXに、「言葉を失った」と投稿。「停戦までにあと何人の女性と子どもが命を失うのか? ガザの民間人が耐えている恐怖を終わらせなければならない」と訴えた。【翻訳編集AFPBBNews】
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