「魔物」にのまれた「絶対女王」=柔道・阿部詩とレスリング・須崎―パリ五輪〔五輪〕
勝者の笑顔の裏には常に敗者の涙がある。パリ五輪の柔道女子52キロ級の阿部詩(パーク24)とレスリング女子50キロ級の須崎優衣(キッツ)。連覇を期待された2人の「絶対女王」は五輪にすむ「魔物」にのまれた。どん底に突き落とされ、それでも立ち直ろうとする姿に本当の強さが垣間見える。
2019年から個人戦で海外選手に負けていなかった阿部詩は2回戦で敗れ、試合場で人目をはばからずに号泣した。勝ったケルディヨロワ(ウズベキスタン)のこわばった表情、大観衆からの温かい「ウタ」コールが起きたのも印象的だった。
ショックも癒えないまま6日後の混合団体戦に出場して日本の準優勝に貢献。「ここで一歩下がってしまうと今後の柔道人生につながらない。この負けを糧に必ずもっと強くなることを自分に誓って一日一日を過ごしたい」。真っすぐ前を見ながら語った。
海外選手に無敗の94連勝中だった須崎は1回戦の残り10秒で逆転負けを喫した。まばたきせずにマットを見詰め「現実なのか分からなかった」と話した。
それでも翌日の3位決定戦に勝利。「五輪女王じゃないと(私に)価値はないと思っていたが、一人の人間として応援してくれる人が多いことに気付けて、私は幸せだなと思った」。4年後、さらに深みを増した2人の姿を見たい。 (時事)
[時事通信社]
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