「一番の練習」、師のハッパ=ひたむきに努力、結実の金―レスリング・清岡選手〔五輪〕
レスリング男子フリースタイル65キロ級で金メダルを獲得した清岡幸大郎選手(23)=三恵海運。伸び悩んだ中学時代、恩師に言われた「一番の練習」を自身に課し、殻を破った。初出場の五輪で、こつこつ培った実力を世界に見せつけた。
会場に響く「ニッポン」コールの中、決勝は終始有利に進め、終了のブザーが鳴ると両手を広げ天を仰いだ。「必勝」の文字が入った日の丸を手にマット上を走り、満面の笑みを浮かべた。
今大会で金メダルに輝いた桜井つぐみ選手(22)の父優史さん(48)が設立した高知レスリングクラブ(高知県)の1期生で、3歳の時に習い始めた。「つぐみにできて自分にできないことが嫌」(優史さん)と当初から桜井選手をライバル視した。
中学時代はなかなか結果が出なかった。中学3年の時、京都府内の強豪チームと一緒に練習した際には、参加していた中学1年生にも負けた。
「どこに行っても一番の練習をしろ」。優史さんにそうハッパを掛けられると、次の日から練習に取り組む姿勢が見違えるように変わった。練習相手チームの監督をして「絶対に強くなる」と言わしめるほどで、悔しい負けから1カ月後、全国中学生選手権で初優勝した。
日本体育大(東京都)コーチの湯元健一さん(39)も中学3年の清岡選手に引かれた一人だ。合同練習で見掛けた清岡選手はどんな体勢からでも攻撃でき、何よりレスリングに取り組む顔つきが違った。「こいつは大成する」
高校時代の清岡選手は優史さんの指導を受ける傍ら、日体大の練習にも参加するように。同大に進学してからは、いつでもアドバイスを受けられるよう、練習は常に湯元さんの前で行い、今大会の金メダリスト、樋口黎選手(28)らトップ選手とスパーリングで汗を流した。
「ここ一番での強さは圧倒的」。そう湯元さんが太鼓判を押す清岡選手の目標は、漫画の主人公のような選手だ。「応援してくれるみんなからパワーをもらって相手を倒し、元気を与えたい」。
[時事通信社]
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