「リズムあるバネ」で初出場=仲間の声援受け、ゴール目指す―マラソン・小山選手〔五輪〕
日本時間10日午後スタートする陸上男子マラソンの小山直城選手(28)=ホンダ=は五輪初出場。卒業後も親交が続く高校の仲間らの声援を受けながら42.195キロに挑む。
埼玉県立松山高校(同県東松山市)時代の陸上部顧問の青木美智留教諭(46)によると、「人懐っこく、人の話をちゃんと聞ける」タイプだった。他校のコーチらからもかわいがられ、よくアドバイスをもらうなどしていたという。
高校1年時は県大会に出場できるかどうか、というレベルだったが、2年時に1500メートルで関東大会を制し、3年時には全国都道府県対抗男子駅伝で区間賞を獲得した。青木教諭は「どこに行ってもいつも楽しそうに走り、徐々に自信を付けていった」と振り返る。
青木教諭によると、小山選手の強みは「リズム良くぴょんぴょん跳ねるバネ」にある。2年時には「バネがあり過ぎてうまく前に進まないこともあった」が、3年時の大会で右脚骨折を経験してから走り方が改良され、走力がさらに増した。
昨秋優勝したパリ五輪代表選考会のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)では、40キロ地点で応援に駆け付けていた高校の仲間4~5人を見つけ、笑顔を浮かべていたという。その日の夕方、青木教諭が電話で「おめでとう。お前すげえな」と伝えると、「きょうはいけると思ったんです」と返した。
このレースで、小山選手は終盤の上り坂で他選手の動きが鈍ると、前に飛び出てラストスパートを掛けた。青木教諭は「高校時代から周りの状況を把握して狙って動いていた」と話す。
小山選手は、高校卒業後も毎年母校を訪れ、後輩たちの練習に加わったり、ジュースを差し入れしたりしているという。青木教諭や仲間の声援を背に感じながらゴールを目指す。
[時事通信社]
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