藤波、パリでも強さ発揮=困難も力に、五輪制覇―レスリング〔五輪〕
全ての瞬間が輝いて見えた。念願の金メダルを手にした藤波は「これが欲しくてやってきた。これ以上の絶景はない」。ジェペス(エクアドル)との決勝は、無失点のテクニカルスペリオリティー勝ち。快勝で締めくくり、中学2年だった2017年9月から続く公式戦の連勝を137に伸ばした。
圧倒的強さの裏には、困難を力に変えられる人間性がある。今年3月に左肘を負傷し、五輪を前に手術を決断。落ち込んだが、すぐに前を向いて体幹トレーニングに励み、強くなってマットに戻った。父でコーチの俊一さんは「みっちりやったのが良かった。構えがしっかりして、ぶれなくなった」と言う。
左足甲の負傷、左膝の炎症で世界選手権などを欠場した2022年も同じ。「成長するために必要な時間」と捉え、翌年の同大会を制してパリへの切符をつかんだ。
五輪本番に向けては約8キロの減量があった。壮絶だったはずだが、母千夏さんの食事のサポートもあり、調整中に水を飲めるほどの余裕を持ってクリア。万全の状態で、栄冠をつかんだ。頂点に立つべくして立った藤波はパリの舞台を振り返り、「起こること全てに意味があって、この瞬間を輝かせてくれるための経験だった」と語った。
マットを下りれば、「普通の女子大生」(千夏さん)。友達とおしゃべりし、たくさん食べる。お父さんの言動にイライラすることだってある。これもまた、女王の魅力だ。早くも連覇の期待がかかる4年後の目標について問われると、柔和な顔でこう言った。「まずはおいしいものを食べたい」。 (時事)
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