企業、事業継続へ警戒強化=南海トラフ「臨時情報」で
南海トラフ地震「臨時情報(巨大地震注意)」の発表を受け、企業が警戒を強めている。巨大地震が起きてインフラ設備や工場、店舗が被災すれば事業活動への影響は必至。各社は対策本部の設置や危機管理マニュアルの確認など、万一の事態でも事業を継続するための準備に追われた。
九州電力は8日、「南海トラフ地震対策総本部」を設置。9日には宮崎県や大分県などの支店とテレビ会議を開き、被災時の電力の復旧手続きや協力会社との連携態勢などを確認した。東京電力ホールディングスは夜間と休日に、通常の宿直者に加えて待機要員を置くことを決めた。
JR西日本は「くろしお」など一部の特急列車や寝台特急の運転を取りやめた。日本航空は旅客機が離陸後に引き返すことを想定し、想定震源域内の空港に向かうフライトでは通常より多く燃料を搭載することにした。
NTTドコモは災害対応の陣容を強化。楽天モバイルは基地局用のバッテリーや発電機などを想定地域に移送する作業を始めた。
8日臨時休業した宮崎市の商業施設「イオンモール宮崎」は9日正午に再開。イオンは全国の店舗に、棚の固定や商品などの落下防止策が取られているか確認するよう指示した。ローソンは沿岸地域の店舗に避難場所を再確認するよう呼びかけている。
主要メーカーの工場は通常通り稼働中だが、ヤマハ発動機やリコー、サントリーホールディングスなどは巨大地震に備え、対策本部を設置した。東芝は国内従業員に対し、安全確保に関するマニュアルを日本語と英語で周知した。日本製鉄は消火設備の点検や避難誘導通路の確認など、地震対応を再確認した。
[時事通信社]
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