核なき世界の実現を=高校生らが「人間の鎖」―長崎原爆忌
79回目の原爆の日を迎えた9日、長崎市松山町の爆心地公園には、早朝から原爆犠牲者を悼む人が多く訪れた。公園では「若者・高校生早朝集会」があり、17都道府県から集まった高校生平和大使ら約100人が手をつないで「人間の鎖」をつくり、核兵器の廃絶と平和な世界の実現に向けて連帯を示した。
参加者は原爆落下中心地碑に献花した後、碑を囲んで互いにつないだ手を高く掲げ、平和を願った。代表の決意表明では、岩手県から参加した高校2年佐藤凛汰朗さん(17)が「微力だけど無力ではないという言葉をスローガンに、核も戦争もない世界の実現を目指して今後も努力していく」と力を込めた。
長崎県の高校2年大原悠佳さん(17)は、「被爆者の方々から受け取った思いを私たちが次の世代へ伝えていかなければならないと思っている」と話した。
公園には原爆で亡くなった犠牲者の冥福を祈る人の姿も。父方の祖父が犠牲になったという安永映子さん(75)=長崎市=は、碑に向かって長時間、手を合わせ続けた。安永さんは「祖父は防空壕(ごう)に避難している人たちに食事を届けようと外に出て亡くなった。平和のありがたさ、原爆が落とされたことを忘れないでほしい」と願った。
[時事通信社]
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