五輪初コンビで銀メダル獲得=「夢与えたい」念願かなう―セーリング吉岡、岡田選手〔五輪〕
銀メダルに輝いたセーリング混合470級の吉岡美帆選手(33)=ベネッセ=と岡田奎樹選手(28)=トヨタ自動車東日本。2人がコンビで五輪に挑んだのは初めてで、吉岡選手はリオデジャネイロ、東京に続く3大会目、岡田選手は東京以来2大会目の出場で念願のメダルを獲得し、雄たけびを上げて喜びを爆発させた。
吉岡選手は広島県出身で、兵庫県立芦屋高校(同県芦屋市)に進学後、ヨットに出合った。身長177センチの吉岡選手は当時から目立ち、同校ヨット部で顧問だった本田善一さん(70)は「『背の高いやつが来よったわ』と思った」と振り返る。
入部した吉岡選手は、まったくの初心者。「口数は少なく真面目で、控えめなところが印象的だった」と本田さん。高校3年時に東京都で行われたインターハイに出場した吉岡選手に「好きなものを買っておいで」とお金を渡したところ、「どういう訳か、地元、芦屋のケーキを東京で買って帰ってきた」と笑う。
レースで思うようなセーリングができなかった時、吉岡選手は「私駄目。下り(追い風)で全部抜かれる」と悔しそうに話したという。だが、本田さんは「吉岡君は淡々とこなしていくタイプで、メンタルの切り替えはよくできていた」と語る。
岡田選手は福岡県出身。5歳でヨットに乗り、小学3年で全日本選手権(小学生の部)を制す。小学2年~中学3年まで指導した河内孝明さん(65)は「ヨットは風と波と潮の流れで決まる。風向きはよく観察していないと分からなくなるが、岡田は気が付くと先頭で風をつかんでいた」と振り返る。
小学生の岡田選手に「何であそこでタック(方向転換)したの?」と聞くと、「カモメさんが教えてくれた」と答えたという。「カモメに『奎樹。そこでタックだよ』と言われるらしい。『カモメが教えてくれた』と思うほど、感覚を身に付けていた」と懐かしんだ。
当時から、日本を代表する選手になると感じていた河内さんに、中学生だった岡田選手は「夢を与えられるようなセーリングをしたい」と語っていたという。夢はついにかなった。
[時事通信社]
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