言葉の壁越え、深まる交流=「五輪バッジ」交換楽しむファン―2000個収集コレクターも・パリ〔五輪〕
世界中から各競技の選手が集まる平和の祭典「オリンピック」。パリや、東京、リオデジャネイロなど大会ごとに開催国が記念ピンバッジを作製しており、一部のファンや五輪スタッフ、ボランティアらは集めたバッジを交換して親交を深めている。
「バッジ交換は本当に楽しい」と笑顔で話すのは、米西部ワシントン州シアトル市からパリに駆け付けたターニャ・オリックさん(57)。約2000個を収集し、「マダム・ピン」の異名があるコレクターだ。
初めてバッジを交換したのは2012年に開催されたロンドン五輪で、今回が3回目という。「互いに違う言語を話す者同士、普通なら会話は生まれない。バッジを介すだけでコミュニケーションが生まれ、人と人がつながることができる」と魅力を語る。
ターニャさんは東京五輪の全日程分のホテルを用意し、両国国技館で開催されたボクシングの観戦を楽しみにしていた。だが、新型コロナの影響で原則無観客開催に。「来日することができず、東京のことを思うと心が痛んだ」と振り返る。
ターニャさんによると、各国にバッジコレクターが集まるコミュニティーがあり、中には転売目的の人もいるという。「少し迷惑。私としては交換でコレクションを手放すことも楽しみの一つ」と笑う。
「バッジ一つ一つがアート作品。とても美しい」。そう語るターニャさんは、公式ショップなどで手に入れたリオ五輪や東京五輪などで作製された、さまざまなデザインのバッジ数百個をパリ市内で展示して回り、新たな出会いを心待ちにしている。
[時事通信社]
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